脳梗塞で受けたダメージの部位で症状が違うの?

脳梗塞や脳出血などで脳がダメージを受けた部位で症状が違う事をご存じですか?

 

それぞれ機能を司っている領域があるため、損傷を受けた部位により症状が違います。

 

機能的にどのような症状が出るのか、見ていきましょう!!

 

脳は左右に分かれており、右半分と左半分とで司っている機能が全く同じではありません。

左の脳(大脳半球)では、右半身の運動や感覚などを制御しており、右の脳(大脳半球)では、左阪神の運動や感覚

を制御しています。

言語はほとんどの人で主に左大脳半球が優位に制御されているため、左の脳に損傷を受けた場合のみ失語症が現れます。

 

損傷部位を特定するにはMRIやCTによる画像検査が必要になります。

 

 

前頭葉

行動や感情、人格等あらゆるところに症状が出ます。

主には感情コントロールができなくなる、集中力の低下(注意障害)、計画通り物事を勧められない(遂行機能障害)などの症状があります。

 

 

頭頂葉

知覚障害、失行症、失認症、ゲルストマン症候群などが出現します。

失行症は、一連の動作を行えず順序もわからなくなってしまうことです。うまく服が着られなくなる着衣失行症などがあります。

失認症は、視覚や聴覚に異常がないのに、それが何か認知できない状態です。

ゲルストマン症候群とは、失書(文字を書くことや文章を組み立てることの障害)・失算(計算ができない、暗算や筆算ができない)・左右認識障害(体の左右の認識ができず、空間的な位置感覚がわからなくなる)・手指失認(指定した指が出せない)

などの症状があります。4つ出ることは少なく、ほとんどの人は部分的な発症です。

 

 

側頭葉

聴覚、嗅覚の中枢、聴覚性言語障害(ウエルニッケ中枢)、記憶の中枢があります。

左側頭葉が損傷すると、失語症が現れ、右側頭葉が損傷すると、失見当識の症状が現れます。失見当識とは、現在置かれている環境状況が認識できなくなることです。

 

 

視床

知覚過敏、縮瞳(瞳孔である黒目が過度に収縮する)、内下方への共同偏視(両目が同じ方向に偏って位置する)があります。

 

視床下部

視床下部は自律神経とホルモンのコントロールを司っています。

自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールする神経の事です。

ホルモンの分泌異常や体温調節異常、睡眠障害などが起こります。

 

大脳基底核

大脳基底核は姿勢の保持など運動の調節をしている所です。

不随意運動が起こったり、筋緊張の変化が起こったりします。

 

 

大脳辺縁系

てんかん発作やコルサコフ症候群が起こります。

コルサコフ症候群では、記憶に関連した症状が目立ちます。新しいことを覚えれなくなったり、昔の記憶が思い出せなくなったりします。また、自分がどこにいるのか・相手が誰なのかわからなくなるなどの見当識障害、周囲への無関心、記憶力や学習能力の低下、水平方向での眼振運動障害、失調性歩行などもあります。

 

 

小脳

小脳が障害されると、平衡障害、運動失調による共同運動不全、測定障害、企図振戦があります。

平衡感覚は、まっすぐに歩くことが困難になったりします。

共同運動不全は、身体の動作が円滑に行えず、動きが『ぎこちなくなる』事です。身体を動かすのは様々な筋肉を使います。その筋肉が協調しあい、合理的に、効率よく動くことができなくなった状態です。

測定障害とは、運動距離がうまく取れなくなる事です。目的の物を取ろうと手を伸ばしても、通り過ぎてしまったり、違うところに手が行ったりしてしまいます。

企図振戦は、震えてしまう症状です。目的物に手が近づくにつれて震えが激しくなります。

 

 

 

脳梗塞や脳出血などの脳卒中と言っても、部位で全く違う症状が出ます!!

また、出血や梗塞の程度によっても異なります。

 

浅井整形外科リハビリセンターでは、リハビリは、お一人様お一人様の身体の具合や症状に合わせてプランをたて、それぞれの方に合ったものを行うのが大切と考えます。

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