進行性核上性麻痺って?
進行性核上性麻痺をご存じですか?
パーキンソン病の症状と似ていますが、パーキンソン病の薬は効きにくく、パーキンソン病よりも早く症状が進行する傾向があります。
40歳以上の方、男性に多く、発症率は10万人に数人程度。パーキンソン病より少ないです。また遺伝性はほとんど報告されてないそうです。
パーキンソン病は中脳の黒質という部分に病変が存在しますが、進行性核上性麻痺は中脳後方が委縮し、タウ蛋白という異常なたんぱく質が蓄積します。
中脳後方部は、眼球運動、歩行、姿勢保持を司っている部位で、眼球運動障害や歩行障害、姿勢反射障害がみられます。
症状
初期症状はパーキンソン病に似ています。
1.姿勢反射障害 バランスを立て直すことができず、転倒しやすくなります。
2.歩行障害 歩こうとしても足が前に出ないすくみ足や、歩いていると徐々に早くなってくる突進歩行などがあります。
3.核上性眼球運動障害 進行性核上性麻痺に特徴的にみられる症状です。眼球を自発的に動かすことができなくなります。
他動的に頭部を動かせば眼球は動きます。はじめは垂直方向(上下運動)に制限されることが多く、進行すると全方向制限されます。初期症状に見られず、数年たってから出現します。
4.パーキンソン症状 固縮、緩慢がみられます。振戦はパーキンソン病より出現する頻度が多くありません。
5.認知機能障害 物忘れも見られますが、前頭葉症状が多くみられます。
注意力や判断力の低下、物事の遂行能力の低下、言葉が出にくくなるなどがあります。
6.嚥下障害 飲み込みにくく、むせることが多くなります。このことによって、誤嚥性肺炎のリスクが高くなってしまいます。
7.自律神経障害 頻尿や排尿障害、便秘などがあります。
診断
頭部MRIにおいて診断されます。中脳被蓋や前頭葉の萎縮が典型的にみられます。
治療
進行性核上性麻痺の根本的治療はまだ見つかっておりません。
リハビリテーションが有効と言われています。
関節の拘縮予防や転倒予防、筋力維持訓練などがあります。
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